2年目にはいった佐渡の生ハム(プロシュート)造り


 放牧で十分な運動をさせ育て、佐渡の米粉を20%加え、更に、品種血統は、英国黒豚で、誰が食べても、絶賛する「島黒豚」。

 ただ,精肉としての評判は、定着しても、ハム、ソーセージでの利用は、進んでいません。
そこで思いついたのが、加熱、燻煙(クンエン)と有用な、従来のハム生産とは異なる長期熟成のハムづくりでした。

 そもそも、ハムは長期保存を前提としてつくられてきました。そのために、家庭の台所などの天井には、いろいろな形状をしたハム、ベーコンなどを、自家用に吊り下げて長期使用に使いました。

 吊るすのは、乾燥を速めるためでもあります。また、ネズミなどの撃退する意味もあり、天井からハムは吊るされました。オランダの「古民家のあつまった公園」では、その家々の天井から数多くのハムが吊るされていました。

 私たちは、この長期熟成を行うべく、昨年の2月に塩漬けの骨付きもも肉を10本作り、昨年5月まで屋内に近いところで浜風にさらしました。その後、佐渡金山の中に風乾場所を移しました。その後一部を鉱山から野外に移し、熟成させています。完成は、今年のクリスマスを予定しています。



骨付きのもも肉は、5%の塩をすり込み
熟成させます。1本で10sほどです。
その後5℃で3カ月ほどかけて、ゆっくりと乾燥させます。
この間に、表面の塩は、赤肉の内部まで浸透していきます。



世界遺産候補にもなっている佐渡金山の坑道で、熟成の実証実験を始めました。
坑道は、年間をとうして、14℃ぐらいで温度が一定です。
また、湿度も、高湿度ですが、安定しています。ブルーシートに包まれているのは、日本酒で熟成試験されています。



カビをつかせ、野外で乾燥させている生ハム。
ある程度乾燥が進むと、表面にカビが生えてきます。
これが進みすぎると、内部のハムにまで悪影響がでる可能性もあるので、12月から、野外の干し場で、熟成と乾燥をつづけさせます。これが、ハムとなり、私たちの食卓に上るのは、年末の12月クリスマスのころを予定しています。



熟成中の生ハムを塩漬けしてから、半年後に断面カットしたものです。
熟成中の生ハムでしたが、適度の塩味も付き、色も食欲をそそるものになってきました。