動検ブルース Part 2

検温は、豚を観て   検疫所の最重要の仕事

 

 動物検疫所で、一番重要な仕事は、検疫中の豚の、体温測定です。

朝 夕 2回の検温が管理人(私のこと)に義務づけられています。

検温は、三角形の獣医用体温計を直腸につっこんで、いちよう5分という、検温時間をとってから記録するとなっています。

検温は、餌の給与時にします。そうしないと、動き回るからです。

しかし、この作業から意外な新発見がありました。

はずかしい、話ですが、豚の体温は、38.5℃と思い込んで、39℃なら、発熱、39.5℃なら、解熱剤というのが、頭にきざみこまれていました。

しかし、実際計ると以下に述べるような、39.5℃を越える例がたった13

頭の黒豚 = バークシャーの管理の中でも解ってきました。

1 発育盛んな子豚は、体温が高い  だいたい、50kg位までの子豚は39℃以上の体温で推移する。平均で39.4℃ (4月末生まれの子豚)

2 朝よりも、夕方の方が体温が上がる。0.3℃ほど

3 餌の給与時、給与を開始した豚と比べ、後の豚の方が体温が高くなる。

よく考えれば、熱は、体の代謝の結果です。子豚の時、餌を求めて騒ぐ時、体温は、上昇します。単純なことですが、意外と見落としがちな点です。

何故問題ないかといえば、制限給餌なので、餌の給与時には、みな集まり餌を食べるからです。餌を争って食べようとすればまず安心、制限給餌は、豚の状態をチェック最良の方法です。

また、忘れてはならないことは、食欲不振豚は、いちよう検熱すべきです。

単なる「食あたり」程度でしたら熱はあがりません。

反対に上がれば、感染菌による感染を疑うべきです。


餌を食べている時が、検温に一番適しています。

ただ、豚は、複雑に動きます。

このように、体温計が外に出ていると、壊される恐れがあるので、なるべく奥にいれましょう。