計測することが利益を生む “メトロスパム”〜精子数計測の意味


 最近、自農場で雄豚から精液を採取し、これを交配に使うゆわいる、ホームAI(人工授精)が、盛んになってきています。このとき、採取、検査もさることながら、その際に採取された精液中の精子数をどうやって計測するか 問題になっています。

 母豚1000頭以上の大手の農場では、それぞれ計測機をいれて、測っているところが多いようですが、中小の農場や、AIを開始したばかりの農場では、どうしても、器機の高いこともあり、「濃さ」や 現場での必要数で、製造ボトル数から逆算して希釈倍率を決めているところが、多いのではないでしょうか。

 私は何回か、ホームAIの立ち上げ指導をさせていただいていますが、現場で、生産された雄の精子数をチェックできないことから、生じる非効率を、眼にすることが、ちょくちょくあります。
まず、考えてもらいたいのは

@人工授精用の採液用に使える雄は、稼働している雄の3割程度しかいないということです。
 まず、採取する為の擬牝台に載らない雄が2割ほどいます。そして、実際に、精液をだしても、奇形や、性状不良で1割位がはねられます。
しかし、なによりも、問題なのは、採取された精液中の総精子数が基準に達しないものが、3割近くはいるということです。
 だいたいの、目安として1採取で600億程度の総精子数が確保できないと、効率が悪くなります。最近では種豚場でAI用にということで、調教された雄を本交配用よりも、高い値段で出す農場があります。これらの雄は、AI用に調教されるとともに、有る程度の精子数の産出を期待できることから、プレミアの価値が出ます。
 搾る手間、調整する手間は、変わりありません。良質、かつ高濃度の精液を出す雄を、ホームAI用に選抜していけば、既存の種雄数を、適正な数にもっていけます。産出精子数の少ない雄は、本交配用にまわし、時期を観て早めに淘汰するのが良いでしょう。
1頭の雄を削減することは、年間で20〜25万円のコスト削減になります。

A1ボトル当たりの精子数の過小、過大のロスを防ぐ
 1ボトル当たりの総精子数が少なすぎると、受胎率、産子数ともに、落ちる可能性が有ります。逆にボトルあたり、80億を超えると、すぐに使う場合は、問題無いようですが、日数がたつと、絡み合い、精液性状が急速に悪化する可能性が出てきます。やはり、精子数を1ボトル当たり40〜70億の範囲で調整するのが良いでしょう。

B採液台帳をつくることでの、種雄豚の健康管理ができる。
 雄は、デリケートなもので、何時も同じということはなく、時々出す精液量、精子数に、むらが出ることが有ります。また、成長の度合い、季節によっても、産出される精子数には、差が出てきます。これを、採液台帳を作り 総精子数を中心に一覧にすることで、早めに、例えば、無精子症 あるいは、これからの 回復など予測することが出来ます。

 以上述べたように、採液された精子数をはかることは、非常に現場にとり役に立つことが多いといえます。

 これまで、普及がなされなかったのは、一つには、専門性が高いものとされ、研究機関などで、研究専門技術員の先生などが、顕微鏡、計算盤、数取り器などを使い、高度の専門性と設備が必要との印象を与えてきました。
 現場でなされてきた、分光光度計による光と換算表を用いる方法も、精液を一定倍率で希釈後、基準となる希釈液で、数値補正 専用容器に入れ数値を検出、さらに換算表から総精子数をわりだすというかなり煩雑な、手間がかかるものでした。また、器機の値段も、高いものでした。

 今回、紹介したメトロスパムは、価格もリーズナブルで採取精液の原液を直接検定出来、数値として、総精子数を画面表示できる 画期的な養豚現場にぴったりの簡易分光光度計といえます。

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