奇妙な「韓国豚熱マーカーワクチン」に対する牽制球を投げず、その採用を考えよ!

 昨年10月13日、つくば国際会議場で臨床獣医を中心にした「豚熱」セミナーが開催された。その中で注目されたもの一つは韓国で養豚家畜防疫の中心を担っている韓国のジョン先生の韓国の豚熱マーカーワクチンの効果についての講演で、現在、100%防疫効果を上げている。出荷日齢も7日ほど早くなり問題はないのないようであった。
 私はかねてから価格も安く効果も抜群である韓国の丹毒との混合ワクチンの採用を、豚熱対策の切り札として挙げてきた。これに対しヨーロッパで開発されたゾエティス社のマーカーワクチンを動物衛生研究所は4頭の試験豚に接種、豚熱の予防効果はあったが、マーカーワクチンとしての判別DIVAは識別困難と結論づけた。たった4頭でこんなに簡単に結論を導けるのかと疑問を持っていた。ところが、この会合で動衛検の関係者から、韓国のマーカーワクチンは、牛由来のBVDウイルスを基礎に作っているのではないか?ドイツのものは日本では豚にこのBVDウイルスが症状は出ないものの感染しているので、判別はできないと4頭の試験から導き、マーカーワクチンとしての効果は期待できない!? 韓国ではどうなっているのか?との質問ならぬ見解がだされた。
 ジョン先生の答えはデーターがないので戻って検討するとのものだった。マーカーワクチンがあれば、野外感染と区別でき豚熱清浄化の展望が開けると考えていたのでこのことは、清浄化の道がかすみ、大変ショックであった。ところが、今年に入り、韓国の豚熱マーカーワクチンのメーカー ジェイソン・リー社長と研究技術部長のスン・ユー氏と会う機会が持てた。韓国ではこの問題に対し牛のBVDウイルスをマーカーにしないマーカーワクチンを開発製造済みで、代替できる。製造もバイオの手法ですぐにかかれるとのことであった。ただ、日本国内で協力してくれる会社があれば是非進めたいとのことであった。
 豚熱撲滅は、このままでは日本の養豚産業のアキレス腱となってしまう。日本が一番という「夜郎自大の発想をやめ」一刻も早い世界標準への回帰で、豚熱清浄化を実現できないものだろうか!


▼ おまけ


▲豚の選抜で一番大切なの乳頭の数と 形間隔です。
乳頭数が多ければ、生まれ出る子豚の数も多いことが期待できます。
豊な乳頭は母性のしょうちょうでもあります。
瑞穂農芸高校 BBルイーザ系統