東京都内でブリティッシュ・バークシャーによる放牧養豚
日本放牧養豚研究会の協力で復活、規則を守れば見学可能


 2020年7月29日、伊豆大島放牧養豚場(小坂晃一農場長)から、英国黒豚(ブリティッシュ・バークシャー:BB)の去勢9頭・雌6頭が東京都心の世田谷区祖師谷の造園業「吉見園」に導入されました。
 伊豆大島放牧養豚場は2019年9月、長野の黒豚振興エージェンシー信州BBファームで8カ月間、BBの飼養管理の研修を受けた小坂晃一氏が開設し、現在、BBの雄系オーランド・アンバサダー、雌系エクサルーサ・ルイーザ・スザンナなど生粋のBB100%の生産が行われています。
 伊豆大島には、養豚場が一つもなく、島しょ部ということで東京都ではありますが、豚熱(CSF)のワクチン接種地域からは除外されています。
 今回「吉見園」に導入されたのは、3月4月生まれのBBの子豚です。導入に当たっては、東京都内の移動ということで行政も便宜を図ってくれて、①豚熱ワクチンを到着3日目の7月31日に吉見園で接種②伊豆大島からの豚輸送に関わる海上運賃が一部補助されました。エサは以前からのつながりで、JA、ゼンケイ経由となりました。
 管理獣医も都内で1名の養豚専門獣医である宮下マリさんの支援を受け入れ、農場の出入りに当たっては注意を喚起するために、看板を立て、注意書きを読んでもらうとともに、柵と通路の間には石灰を撒き、仕切り用のバーとコーンを置くことで、見学者が直接、豚と接触しないように配慮がなされています。
 NPO日本放牧養豚研究会が目標にしてきた人と豚との距離を縮めるという点でも、施設は公開してもらっています。そのためにも、見学の折には「豚に触れない」「餌をやらない」「触れない」という3原則を守るようにお願いしております。



7月29日、6時間の船旅を経て、大島から家畜運搬用のコンテナに乗せ、15頭の小豚たちが東京港辰巳(たつみ)埠頭に到着。ユニックによってフォークリフトに積み込まれました。これを、2トン車に積み替え当日搬入しました。


造園業者の吉見園では、樹木の選定枝を粉砕したものを敷料として使用しています。寝場所と水飲み場には、これをがっちり積み上げています。


放牧場は、日陰が十分に確保され、広さも十分に確保されています。山になっているのは、熟成3年目の堆肥の山。3週間目で、野外の放牧場は、ほぼ更地になりました。